俺様同期の溺愛が誰にも止められない
「碧、俺を見て」

影井に抱かれたまま、すでに放心状態の私に囁かれた言葉。
声につられて頭を上げると目前には影井の顔があって、そのまま唇が重なった。

「ん、んん」

突然のことに声を出そうとするけれど、隙間から暖かいものが入ってきて口内を動き回る。
そのうちに自分の体温ではない温もりが流れ込んできた。

「絶対に碧を泣かせるようなことはしないから・・・抱いてもいいか?」
「・・・うん」

自分でもびっくりするくらい、迷う気持ちはない。
考えてみればこの一カ月の間私は常に影井のことを考えていたし、影井の喜んでくれる食事を作って帰りを待っていた。
心のどこかでこの生活が続くことを望んでいたんだ。

「考え事はなしだ」
「えっ?」

チクッ。

意地悪い声と同時に感じたかすかな痛みと、体に残る真っ赤な跡。
それが何かわからないほど、私も子供ではない。
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