俺様同期の溺愛が誰にも止められない
真面目で正直で、自分がどんなに苦しくても困った人がいれば助けようとする。そんな水野碧をみんなが好きだったし、ひたむきに頑張る彼女を何とか助けたいと思っていた。
だからと言うわけではないが、彼女が落ち込んでいて仕事でもスランプ気味だと聞けば、飛んでくる同期だって少なくはない。
そのことが俺にとってうれしいかどうかは別にして、昨日の同期会も急な呼びかけにもかかわらず10人以上の友人たちが集まった。
しかし、まさかそこに高杉先生がいるとは思ってもみなかった。

「寄りにも寄って面倒な人に気にいられたもんだな」
誰に言いうともなくこぼれた言葉。

実は、俺と高杉先生は以前から面識がある。
特に親しいというわけではないが、色々と因縁のある間柄だ。
だからこそ、碧とのことは知られたくなかった。
それなのに・・・
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