俺様同期の溺愛が誰にも止められない
同期会が始まる直前に、高杉先生が参加すると聞いた。
今までにも飛び入り参加してきた先輩たちはいたし、珍しくもないと気にも留めていなかった。
しかし、いつの間にか碧の隣りに陣取り親しげに話す姿が面白くなかったし、俺と碧の同棲をすでに知っていて面白おかしく話されている事にもむかついた。
碧に向けられる高杉先生の言葉が俺の心に刺さり、腹も立った。
いつもなら何でも言い返す俺が、「恋愛感情抜きで同棲できるのか?」と聞かれても答えられず、「同棲ではなくて同居です。言うなればシェアハウスみたいなものですよ」と言う碧の言葉がショックだった。
そして、たまりかねて席を立った碧を見て俺の理性は切れてしまった。

「ちょっと来い」

腕をとって声をかけた時点で周囲の視線は気づいていたが、俺の心は決まっていた。
高杉先生の挑発にまんまと乗ったようで面白くはないと思いながら、俺は碧を連れ出した。
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