俺様同期の溺愛が誰にも止められない
「もう少し警戒しろよ」
真っ白で透き通った頬を撫でながら俺は幸せを噛み締めた。

昨日まで友人関係でしかなかった水野碧といきなり一線を越えてしまった。
もちろんそれは俺の望みではあったけれど、あまりにも急展開すぎて思考が追い付かない。
今こうして長い間思い続けてきた彼女を自分の腕に抱いているのが現実ではない気さえしている。

どちらかというと大人しくて、周囲に対してもあまり自己主張が強くない印象の彼女を傷つけないように優しく大切に扱うつもりでいた。
無理をして嫌われたんではもう二度と取り返しがつかないと俺なりに用心もしていたが、ベッドの中の水野碧は想像と違った。
妖艶で艶めかしくて、そして美しかった。
どんなことがあっても、碧は誰にもやらない。
切なげに声を上げる碧を抱きながら、俺は心に誓った
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