俺様同期の溺愛が誰にも止められない
ピコン。
今度はメールだ。
もしかして病院の関係者からかなと思って差し出し人を見ると、
えっ。
思わず声が出そうになった。

『お疲れ様。ずいぶん急に帰ってしまったが、あの後は大丈夫だったかい?昨日は君と飲もうと思っていたのに残念だったな』

業務報告のような書き出しのメールの送り主は、高杉先生だった。
彼には少なからず文句もあるわけだが、今は職場の上司でもありうかつな事は言えない。

『若いからといって無理はせずに、ちゃんと睡眠はとってくれよ。彼女にも無理をさせるな』
『心配はご無用です』

余計なことを言えばめんどくさいことになりそうで、簡潔に放っておいてくださいの意思を伝えた。
きっとこんなことで納得してくれるはずもないだろうが、今の俺にはこれが精一杯だ。
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