更生係の憂鬱生活 【番外編】
「え、見たい!皆の写真でしょ?見たーい」
はしゃぐ澪をジト目で見やりつつ、手元のアルバムに目を落とした。
中学時代から撮り溜めていた写真達。
こうやって思い出に残すのは、
僕にとってBLAZEが唯一の居場所で、
BLAZEの皆と過ごす時間が、忘れたくないほど大切だからだ。
アルバムを捲る度に思い出す。
僕は、BLAZEの皆に出会ってから初めて“自分”を出すことができるようになった。
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昔の話をしよう。
僕は国有数の大企業の御曹司に生まれてからずっと、
馬鹿みたいに毎日英才教育を詰め込まれ、息が詰まるような期待に晒されて生きてきた。
勿論愛され甘やかされてもいたけれど、その分の努力や研鑽は求められた。
役に立つ人材となり、一族に貢献する。
それが僕の存在意義であり存在価値であると半ば洗脳の如く思わされてきた。
勉強も運動も何でもできて、誰もが認める規範生であり、優等生。
周りから求められる理想をそのまま受け入れて、それらの肩書きを保ち続けた。
でも、中学生になって漸く理解したんだ。
僕は只の、大人にとって都合の良い操り人形に成り下がっているだけだということに。
目が醒めたきっかけは、“学校荒らし”と呼ばれていた乙訓京平と出会ったことだった。