可憐なオオカミくん







 夢を見ていた。
 昔の夢だ。

 そう、これはわたしが男恐怖症になった理由。

 小学低学年の時、クラスのリーダー格の男子に必要以上に追い回されて。
 やめて。やめて。と訴えても悪化するばかりだった。

 それが毎日続くうちに身体が拒否反応を覚えた。

 鳥肌が全身に回り、酷いと蕁麻疹が出るようになった。


 最初は元凶の男の子だけに出た拒否反応。
 それが次第に、男全員に拒否反応を示すようになっていたのだ。



 あー。
 この世から男の子全員いなくなればいいのに。
 良い匂いのする女の子だけの世界になればいいのに。
 そしたら、幸せな未来しか見えないのにな。

 そう願いながら、目が覚めた。


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