つぐむちゃん、口を開けて。


 むしろ……。


 スクールバッグから勉強道具を取り出そうとする千鶴くんの腕を引く。



「つぐむちゃん……?」

「……ううん」



 勉強以外のことの方が……いいよ。


 どう言うべきか迷っている内に千鶴くんがわたしを抱き寄せた。



「なーに? もっといちゃいちゃしてていいってこと?」



 あぁ、またわかってくれた。

 昔から千鶴くんはそうだ。わたしが言いたいことをすぐに察してくれる。だからわたしは甘えてしまう。

 全部わたしが悪いんだけど……。



「えー、もう……へへ、好き~」

「……ぁ、」



 ちゅ、と頬に優しい口付け。

 眉を下げたとろけるような笑みがわたしの視界をいっぱいにする。


 胸元のリボンが千鶴くんによってほどかれた。

 地面に落とされて、次は上まで留めてある制服のボタンに手が触れる。


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