BitterなフリしてほんとはSweet【完】
針間あさひside
ブラックコーヒー飲めるなんてすごいなーなんて、考えているうちに瀧課長の車について、乗り込む。
黒のセダンなんだ。なんだか渋いなぁ。
ピッピっと音がなって、施錠が解かれる。
「お、お邪魔します」
瀧課長の車に乗るのなんて初めてで、すごい緊張する!
無意識に見回してしまう車内。清潔に保たれていて、きれい。
ん?
そんな車内で見つけたのはダッシュボードに置かれている書類。クリアファイルに入っている取引メーカーのカタログだった。
「このメーカーって確か、田中さんの担当じゃないですか?どうして瀧課長が持ってるんですか?」
「ああ、あいつ今奥さん臨月で大変だろう。」
自然にエンジンをかけて、静かに出発する車。
「へ!?そうなんですか?」
結婚してるのは知ってたけど、お子さんができたことは全く知らなかった。