BitterなフリしてほんとはSweet【完】
その甘さ、熱のせい
次の日、なんとか会議は役員の人にもキャンペーンの案は好感触で終わった。
あとは、具体的なことをメーカーと打ち合わせをして、時期を定めて、営業所に通達するだけ。
どんなキャンペーンになっていくのかは私の裁量。
ずっと張っていた気抜けて、なんだか身体がふわふわする気がするけど、甘えてられない!
キャンペーンを成功させるまでが私の役目!
「針間さん、この資料だけど……って大丈夫?」
「…え?」
「顔が真っ赤で、すごくしんどそうだけど、体調悪いんじゃないの?」
先輩がそう声をかけてくれる。
「だ、大丈夫です。ちょっとお手洗いに…っ」
席を立った途端揺れる視界。
足も力が入らない。
「お、ちょっ、」
「た、瀧課長っ、すみませっ、」
ふらついて、倒れそうになった瞬間、支えてくれたのは通りかかった瀧課長だった。
いけないっ。しっかりしないと。