BitterなフリしてほんとはSweet【完】
炊かれたまま手がつけられてなかったお米と、戸棚に入ってた1人土鍋、冷蔵庫の卵を使って簡単なお粥を作った。
静かに座っている彼女へ運んでいく。
「うわ〜美味しそうっ」
…こんな時でも食べ物を前に目がキラキラするなんて、愛おしいな。
「熱いから気をつけて。」
すっごい湯気出てるから。
「ありがとうございます!いただきます!」
さっきまで眠たそうな目をしていたのが嘘みたい。
食欲ないって言ってたのに、湧いてきたみたいで良かった。
レンゲで一口掬い、ふーふーと冷ましてから口に運ぶ彼女。
「ん!すごく美味しいです!」
いつも通りのその笑顔、たまらない…
天使すぎて、作って良かったって心から思えるよね。
「っ、よかった、」
姉貴、お粥の作り方教えてくれてありがとう。
「瀧課長は完璧ですねっ…仕事も出来て、みんなに慕われてて、料理も出来るなんてっ!」
ぺろりと一瞬でお粥を平らげて、満足げにベットへ向かっていく彼女。
…相当眠たいんだろうなぁ。