BitterなフリしてほんとはSweet【完】

針間 あさひside


週明けの月曜日、いつも通り慌ただしいオフィス。



病み上がり初の出勤。



…私、瀧課長を家に入れてたよね!?



やんわり覚えている記憶。




おかゆを作ってもらって、それがすごくおいしかったことは覚えてる…



あと、ふんわりした、お粥ではない物が口に触れた感触もなんとなく覚えてる…


それが何かは分からないけど。


一応お礼のメールは入れたけど、返事は来なかった。




ちらっと瀧課長を見ると、荒木さんと楽しそうに話している。



「瀧ってばいい加減にしてよ〜」



「ふはっ、荒木が悪いんだろ」





…あんな顔して笑うんだ。



そっかあの2人って同期だもんね。美男美女でお似合い…



ずーーーっとぐるぐる同じことを考えてしまう。



視線を外しても、気がつけばまた瀧課長のことを見てしまってる。



ズキっと胸が痛む。



「ズキッ…!?」



なんで、胸が痛むの!?え?



「針間!」



その声と同時にドサっと肩に重みがのしかかる。



「うわっ!?びっくりした、耳元で叫ばないでよ!」




「ぼーっとしてるからだろ〜」



悪びれる様子もなくそう言う彼は、同期で同じ部署の時藤隼人(ときとうはやと)



いつも肩組んで話してくるけど、重たいのよ…
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