BitterなフリしてほんとはSweet【完】
時刻は23時15分。
終電まであと15分。
「よしっ」
やっと納得のいく資料が出来上がった。
明日の会議は午後から。
午前中にプレゼンのシュミレーションをして、資料にもう一度目を通したら完璧!
ちらっと瀧課長を見ると、まだ真剣な顔をしてパソコンに向かっていた。
…毎日こんな時間まで仕事してるのかなぁ。
あっ!終電!急がないと!
晩酌しちゃおう〜!お酒が美味しいに間違いない!
るんるん気分でパソコンの電源を落として、荷物をカバンにしまい帰る準備をする。
「針間さん。」
後ろのデスクから聞こえた瀧課長の声。
「はいっ!」
…ま、まだ私なんかしなきゃいけないことあったっけ?
お、怒られる?
「帰るのか?」
「…明日の準備も出来たし、終電があるので帰ります。瀧課長もあまり無理しないでくださいね!」
ニコッと笑いかけると、びっくりした表情をして顔を真っ赤にした瀧課長。
…えっ、課長に対して馴れ馴れしくしすぎた!?
とにかく怒られなくてよかったけど。