BitterなフリしてほんとはSweet【完】


「金曜日、送ってくれてありがとう」



「え、」


驚いたような表情を見せる針間さん。ああ、可愛い。



「針間さんが送ってくれたんだろう?」


あの日のことは正直何も覚えていないが、土曜日に時藤から連絡が来て針間さんがタクシーに乗せて、うちの前まで運んでくれたらしい。



「いいえ…」



やけに戸惑った表情を見せる、針間さんに少し違和感を覚えるけど、野暮に質問するのもよくないよな…


まさか、俺のあんな醜態を見て幻滅してるとか?


全然あり得る。



「…あんなベロベロな姿見せてすまなかった。しかも部屋の前まで。」


そういうと針間さんの瞳が激しく揺れたのを見逃さなかった。


いつもあどけない彼女が、どこか切なげな表情をする


「…綺麗な彼女さんですね」



その言葉に耳を疑った

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