BitterなフリしてほんとはSweet【完】
「え、彼女?」
「家から出てきた方、彼女さんですよね?」
ちらっと見上げて来て、絡む視線
家から、出てきた…?
「あー、あれ姉貴」
最近離婚したとかで、俺の家に寄生してるおっかない姉だ。
一人暮らしの家が決まるまでとかいって、もう数ヶ月もいる。
「え、お姉さんですか!?す、すみません勘違いしてつい」
小さな体を揺らしてわたわたと動揺する針間さん
「あいつちゃんと名乗れよ…」
よりによって針間さんに誤解されるなんて、ついてない。
「よかった〜お姉さん…そっか勘違いだった、はぁ、びっくりした〜」
耳まで真っ赤に染めて、小さく何かつぶやいている。