BitterなフリしてほんとはSweet【完】

すぅ、っと深呼吸して、





「俺、針間さんが好きだ。」





不甲斐なく震える手を必死に抑える。



「…ほ、本当ですか?」


目をキラキラと潤ませて、今にも泣き出しそうになってしまった。


その顔を見てハッとする


「っごめん。こんな勤務中にセクハラに該当するな。わ、忘れてくれ」


こんなの訴えられたってしょうがない。


立派なセクハラじゃないか!



「忘れたくありませんっ。」




「え、」



今、なんて?




「忘れないです!……私も、瀧課長のことが好きですっ」



「本当なのかっ?」



驚きのあまり確認してしまったが、嘘だとは思わないほど真っ赤な顔をしている針間さん



「っ、はい。好きです」


恥ずかしそうに肩に力が入った状態で、一生懸命伝えてくれる



やっぱり彼女は天使の生まれ変わりか。



「っ、はぁ〜」
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