BitterなフリしてほんとはSweet【完】
「…この時間に女性が1人で帰るは危険だから、送る。」
予想外の言葉にびっくりする。
ええ!瀧課長も帰る準備してる!
「だ、大丈夫ですよ!お気遣いありがとうございます!」
瀧課長とはあまり話したことないし、少し気まずいかもしれない。
それに瀧課長は車通勤。2人きりなんて本当に気まずい。
「…いや、どうせ通り道だし。」
ぼそっと呟かれた声は、夜の静かなオフィスではきちんと聞こえた。
「え、?どうして私の家…?」
「あ、これはっ!…あの、小林たちと話してるが聞こえて…ごめん。」
柄にもなくやけに慌てて落ち着きのない瀧課長。
…2人きりで話すとこんなに雰囲気が違うんだ。
たしかに私は最近引っ越しをして、後輩の小林くんたちとどこらへんに引っ越したとかいう話を大声でしてた。
いくら休憩時間とはいえあんな大声で話してたら耳に入るよね。