財閥御曹司に仕掛けられたのは、甘すぎる罠でした。
――ち、近いっ!
抱きしめられているような感覚。
思ったよりもずっと近くに、悠賀様の体温を感じる。
「そんなにドキドキしてくれているんだ。嬉しいな」
密着した部分から、私の鼓動の高鳴りが伝わってしまったらしい。
恥ずかしくなって顔を背けると、くいっと顎を正され、悠賀様と目が合う。
「そのまま僕だけを見ていて」
なぜか、身体が言われるがままになってしまう。
静かなワルツが流れ始め、悠賀様は私を抱き寄せたままゆっくりとステップを踏み始めた。
「そう、すごく上手だ」
悠賀様の身体の揺れに合わせて、見様見真似でステップを踏む。
悠賀様がおだてるから、私もうまく踊れているような気がしてくる。
至近距離で見つめられ、胸がドキドキとときめいて。
視界に彼の顔がいっぱいに映り、その笑みにどんどんと心が惹かれていく。
「とても素敵だ。まるで蝶のようだね」
甘い言葉をささやかれるたび、胸が喜びを覚えていく。
頬が紅潮し、それでも悠賀様から目が離せない。
ダメだ、もう、私――
「君を誘って正解だったよ、依恋さん」
――悠賀様に、恋をしている。
抱きしめられているような感覚。
思ったよりもずっと近くに、悠賀様の体温を感じる。
「そんなにドキドキしてくれているんだ。嬉しいな」
密着した部分から、私の鼓動の高鳴りが伝わってしまったらしい。
恥ずかしくなって顔を背けると、くいっと顎を正され、悠賀様と目が合う。
「そのまま僕だけを見ていて」
なぜか、身体が言われるがままになってしまう。
静かなワルツが流れ始め、悠賀様は私を抱き寄せたままゆっくりとステップを踏み始めた。
「そう、すごく上手だ」
悠賀様の身体の揺れに合わせて、見様見真似でステップを踏む。
悠賀様がおだてるから、私もうまく踊れているような気がしてくる。
至近距離で見つめられ、胸がドキドキとときめいて。
視界に彼の顔がいっぱいに映り、その笑みにどんどんと心が惹かれていく。
「とても素敵だ。まるで蝶のようだね」
甘い言葉をささやかれるたび、胸が喜びを覚えていく。
頬が紅潮し、それでも悠賀様から目が離せない。
ダメだ、もう、私――
「君を誘って正解だったよ、依恋さん」
――悠賀様に、恋をしている。