働きすぎのお人よし聖女ですが、無口な辺境伯に嫁いだらまさかの溺愛が待っていました~なぜか過保護なもふもふにも守られています~
* * *
三日後、国王陛下に呼び出されたオレールとブランシュは、彼を証人として、婚約証明書にサインをした。本来ならば結婚証明書を作成するところだが、ダヤン辺境伯家が喪中であることを考慮しての措置だ。喪が明ける一年後に正式な結婚証明書を提出する運びとなっている。
「いやはや、めでたいな」
ご機嫌な国王陛下を横目に、ブランシュは気が気ではない。
隣に立つオレールはずっと仏頂面なのだ。
(お父様を亡くしたばかりだもの。突然結婚しろなんて無理難題を押し付けられたら、不快になるのも当然よね)
ブランシュはいたたまれない気持ちで、彼の側に立っていた。
「聖女を結婚させろなどという神託は驚いたが、きっと、ダヤン辺境伯家の現状を鑑みての神の思し召しだろう。大事にしてやってくれよ。辺境伯どの」
「ええ。もちろんでございます」
この時ばかりは、オレールも笑顔を見せた。ブランシュは申し訳ない気持ちになりながらも、正式にオレール・ダヤンの婚約者となったのだ。
婚約式が終わると、城の奥にある部屋に招かれた。どうやら、休憩のための部屋を用意してくれたらしい。
中に入ると、女性のメイド数人と、細身の男性がいた。
「私は、オレール様の従者のレジスです。以後お見知りおきを」
オレールと違い、表情豊かな男性だ。
「レジス様ですね。ブランシュ・アルベールと申します。よろしくお願いいたします」
メイドが持ってきたお湯を使って、レジスはお茶を入れてくれた。
「いやあ、びっくりしましたよ。このオレール様が領主になったこともそうですが、すぐ結婚となったこともね。驚きの連続ですね、人生は」
「ふふ。そうですわね」
オレールもブランシュもあまり多くを話す方ではないので、彼がいると部屋の中が明るくなったような気がする。
三日後、国王陛下に呼び出されたオレールとブランシュは、彼を証人として、婚約証明書にサインをした。本来ならば結婚証明書を作成するところだが、ダヤン辺境伯家が喪中であることを考慮しての措置だ。喪が明ける一年後に正式な結婚証明書を提出する運びとなっている。
「いやはや、めでたいな」
ご機嫌な国王陛下を横目に、ブランシュは気が気ではない。
隣に立つオレールはずっと仏頂面なのだ。
(お父様を亡くしたばかりだもの。突然結婚しろなんて無理難題を押し付けられたら、不快になるのも当然よね)
ブランシュはいたたまれない気持ちで、彼の側に立っていた。
「聖女を結婚させろなどという神託は驚いたが、きっと、ダヤン辺境伯家の現状を鑑みての神の思し召しだろう。大事にしてやってくれよ。辺境伯どの」
「ええ。もちろんでございます」
この時ばかりは、オレールも笑顔を見せた。ブランシュは申し訳ない気持ちになりながらも、正式にオレール・ダヤンの婚約者となったのだ。
婚約式が終わると、城の奥にある部屋に招かれた。どうやら、休憩のための部屋を用意してくれたらしい。
中に入ると、女性のメイド数人と、細身の男性がいた。
「私は、オレール様の従者のレジスです。以後お見知りおきを」
オレールと違い、表情豊かな男性だ。
「レジス様ですね。ブランシュ・アルベールと申します。よろしくお願いいたします」
メイドが持ってきたお湯を使って、レジスはお茶を入れてくれた。
「いやあ、びっくりしましたよ。このオレール様が領主になったこともそうですが、すぐ結婚となったこともね。驚きの連続ですね、人生は」
「ふふ。そうですわね」
オレールもブランシュもあまり多くを話す方ではないので、彼がいると部屋の中が明るくなったような気がする。