犬猿の仲の彼の専属メイドになりました。
でもなんでそこまでしてくれるんだろう。
「正確にはお前の小遣いからだろうが」
「違う。俺が投資して稼いだものだ」
(投資・・・?)
ここ2年近くお側に仕えているが、そんな素振り見せたことがなかった。
お二人の会話だけで知らない遥くんの姿が浮き彫りになっていく。
「屁理屈を言うな。その投資するためのお金は元はと言えば雅楽代のものだと言っている」
それを言われてしまえば遥くんは何も言い返せなくなる。卑怯だ。
現に遥くんは言葉を詰まらせ俯いてしまった。
もしかしたら唇を噛み締めているかもしれない。昔からその癖がある。
助けなくては、と反射的にそう思った。
年上として。
「おかえりなさいませ、遥坊っちゃま」
「凜・・・」
「遅くなり申し訳ございませんでした」
あくまで遥坊っちゃまに謝罪するために頭を下げた。
それなのに聞こえたのは遥坊っちゃまではなく郁人坊っちゃまの非難の声だった。
「正確にはお前の小遣いからだろうが」
「違う。俺が投資して稼いだものだ」
(投資・・・?)
ここ2年近くお側に仕えているが、そんな素振り見せたことがなかった。
お二人の会話だけで知らない遥くんの姿が浮き彫りになっていく。
「屁理屈を言うな。その投資するためのお金は元はと言えば雅楽代のものだと言っている」
それを言われてしまえば遥くんは何も言い返せなくなる。卑怯だ。
現に遥くんは言葉を詰まらせ俯いてしまった。
もしかしたら唇を噛み締めているかもしれない。昔からその癖がある。
助けなくては、と反射的にそう思った。
年上として。
「おかえりなさいませ、遥坊っちゃま」
「凜・・・」
「遅くなり申し訳ございませんでした」
あくまで遥坊っちゃまに謝罪するために頭を下げた。
それなのに聞こえたのは遥坊っちゃまではなく郁人坊っちゃまの非難の声だった。