犬猿の仲の彼の専属メイドになりました。
「遅すぎるんじゃないか?本業と学業を両立できないなら学校なんかさっさと辞めてしまえ」
「郁人坊っちゃまの仰る通りだと思います。ですが、決定権は遥坊っちゃまにあります」
お金を出していない貴方は口出しするな、と強めに出ると、郁人坊っちゃまは1歩後ずさった。
それを見た遥くんはすかさず私の腕を掴んだ。
「凜。帰るぞ」
遥くんはもう郁人坊っちゃまを振り返らない。
「失礼致します」
代わりに簡素的な一礼をしてその場を後にした。
部屋に戻りドサッとソファに腰を下ろした遥くんはドアの前で突っ立っていた私に手招きした。
「どこから聞いていた」
「・・・郁人坊っちゃまが私を退学させた方がいいと仰ったところからです」
正直に答えると遥くんはこめかみを押えながら長めのため息をついた。
それからいつになく真剣な顔つきで私を見据えた。
「改めて言っておくが、俺はお前を退学させるつもりはないからな」
「いいのですか?」
「何がだ」
「メイドになることが分かっている私にそんなことをしても、無駄だとは思わないのですか」
私としては大学に行けなくても高校3年間は学びたいと思っている。
「郁人坊っちゃまの仰る通りだと思います。ですが、決定権は遥坊っちゃまにあります」
お金を出していない貴方は口出しするな、と強めに出ると、郁人坊っちゃまは1歩後ずさった。
それを見た遥くんはすかさず私の腕を掴んだ。
「凜。帰るぞ」
遥くんはもう郁人坊っちゃまを振り返らない。
「失礼致します」
代わりに簡素的な一礼をしてその場を後にした。
部屋に戻りドサッとソファに腰を下ろした遥くんはドアの前で突っ立っていた私に手招きした。
「どこから聞いていた」
「・・・郁人坊っちゃまが私を退学させた方がいいと仰ったところからです」
正直に答えると遥くんはこめかみを押えながら長めのため息をついた。
それからいつになく真剣な顔つきで私を見据えた。
「改めて言っておくが、俺はお前を退学させるつもりはないからな」
「いいのですか?」
「何がだ」
「メイドになることが分かっている私にそんなことをしても、無駄だとは思わないのですか」
私としては大学に行けなくても高校3年間は学びたいと思っている。