犬猿の仲の彼の専属メイドになりました。
「お前が!嫉妬してくれると思ったんだ!俺と女子が関われば!」
「はぁ?」
「現にお前はそれを見る度眉をひそめていただろ!」
(それはあの後香水の匂い落とすのめんどくさいなって思ってたからよ)
私が反論するよりも先に遥くんは弁解を始めた。完全にヤケになっている。
「こき使ったのは!お前俺のこと嫌いだから必要最低限しか口聞いてくれないからだ!そうでもしないとお前と話せないだろうが!!」
色々拗らせていると思う。
私は坊っちゃまのメイドなのだから「話し相手になれ」と言えば済む話だ。
まぁそれだと私は専属メイドの凜として接することになる。それがずっと嫌だったのか。
一気にまくし立てた遥くんは肩で息をしたあとまた私と向かい合った。
「・・・じゃあ、お昼毎回呼び出したのは」
「お前と食事を摂りたかったからに決まってるだろ」
被せるようにそう答えられた。
そんなに食事を摂りたかったくせに今までずっと黙食してたのか。
やっぱり拗れている。
「眼鏡にかけろって怒ったり外せって怒ったりしてうるさかったのは?」
「害虫が寄ってくるのを防ぐためだ」
ここで出てきた「害虫」はそのままの意味ではなく他の男性のことを指している。