氷の華とチョコレート
「真間、さん?」
「……そう言う、可愛いコトを言われると、困るんだけど?」
真間さんが、立ち止まって横を向いたまま言う。困る? また私、変な事を言ってしまったのかしら?
「……」
えっと……? 止まったままの彼、こういう時どうすれば、いいんだろう?
チラッと、真間さんが私を見る。
「充電、してもいい?」
「じゅうでん?」
スマホの事だろうか? 急に話が飛んだようで、私は困惑してしまうけど……。部屋に充電器はあるし。
「いいですよ?」
首を傾げたまま言うと、真間さんがふんわりと笑って、私に両手を伸ばして来た。そのまま、キュウッと抱きしめられる。
「……!?」
じゅうてん、ってコレ?
いきなりの事に、自分の心拍数が急上昇するのがわかった。恥ずかしい、真間さんに、聴こえてしまうそう……。
「少しの間、氷室さんに会えないから……」