氷の華とチョコレート

 胸の中で響く彼の声、同じくらいに速い真間さんの鼓動にホッとして、私も彼の背に手を回してキュッと抱きしめてみた。それに答えてくれるように、真間さんの腕に少しだけ強く力が入る。


「……」


 トクン、トクン、トクン……―――


 こんな風に抱きしめられるのは、初めてのデートのあの時以来。

 でも、あの時と全然違うのは、付き合ってきた時間の違いだから? 同じ速さの鼓動の音、落ち着かないはずなのに、彼の大きな胸の中がとても気持ちよくて……。

 ずっとこうしていたい。


「……」


 頭の中がボーっとして、何も考えられなくなる。


 どのくらい時間がたっただろうか?

 不意に身体が解放されて、二の腕をつかまれてゆっくりと体が離される。見上げると、少し照れたように微笑む真間さんの顔。


「そろそろ、帰るね?」

「……はい、今日はありがとうございました」

「……」


 少しだけ、二の腕に力が入って、彼の唇が私のソレに重なった。


「……!?」



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