氷の華とチョコレート
◆ 窮屈な日々の先に
それから、月曜日、火曜日と、何事もなく日々が流れた…―――
何もなかったけれど、またいつ栗栖さんが突然現れるかも知れないことに、私は心の片隅で怯えていた。自分の家に戻ってから、眠りが浅くなっている気がする。
月曜日の夜、電話で話したいと真間さんが言っていたのは、水曜日にKEYさんを私の家に向かわせたいので、予定が大丈夫かの確認だった。
その日は、友達と一緒にいて欲しいとのことだったので、菜摘にお願いして、仕事帰りにそのまま私の家に泊まってもらうことになった。
「なんでも屋さんなんて、初めて会うから楽しみ♪ どんな人だった?」
「不思議な雰囲気の人だったよ? 盗聴器があったからか、あんまりお話出来なかったの」
最寄り駅で菜摘と待ち合わせして、二人で夕飯を作り、少し飲みながらとりとめのない話をした。こう言うのは、学生時代に戻ったみたいでちょっと楽しい。
これで栗栖さんの件がなければ、女子二人で恋バナとかして、ウキウキなんだけどね……。