氷の華とチョコレート
可愛いと言うか……。
「それは、よかったですね」
ついこっちまで、ふんわりした気持ちになって笑顔になる。
「……」
真間さんは、驚いたように目を見開いて私を見つめた。
「……?」
えっ、と……。
「あの、……何か?」
「えっ? イヤ、……コレ! お礼と言っては何ですが、受付の皆さんで食べてください」
そう言って、有名お菓子メーカーの袋を私に差し出した。
「……」
受付みんなだなんて、なんてスマートな人なんだろう。
「お礼だなんて良かったのに、かえって申し訳ありませんでした」
「た、たいした物ではないし、それに本当に助かったので……」
恐縮して言う姿に好感を覚える。このお菓子なら先輩たちも喜ぶだろう。
「ありがとうございます、みんな喜びます」
「あっ、あとコレ……」
もう一つ、彼は小さな紙袋を私の目の前に差し出した。
ん?
受け取ると、中には、私の折りたたみ傘と小さなお菓子の包み。