氷の華とチョコレート

 うわぁ……、恥ずかしい。

 全員に助けられるって、私、どこまで鈍くさいのかしら……。


「俺が行って来るから、美羽はここにいろ」

「あたしも、行く!」

「二人とも、ありが、とう……」


 暁陽と菜摘が代わってくれて、コンビニに駆け出して行った。

 真間さんと私と荒谷さんの三人だけになった。私は、警察の方を連れて色々してくれていたらしい、荒谷さんに向き直る。


「……荒谷さんも、色々とありがとうございます」

「ん……、全部エーキの依頼だから、とりあえずコイツを病院に連れて行ってやって? このままじゃ多分上司にヤられる」

「……は、い?」


 えっと、ヤられる?


「聞いてよ氷室さん、ケージも平井先輩も、簡単に殴られとけとか言うんだよ? 明後日までに腫れが引かなかったら、氷室さんとの初めてのクリスマスが、フッ跳んじゃうよ……」

「……」


 それって……。

 真間さんは、わざと殴られたと、言う事?



< 201 / 310 >

この作品をシェア

pagetop