氷の華とチョコレート

「真間さん、……クリスマスは、お仕事ですか?」


 確か、今回の出張がどうとか、この前言っていたはず……。


「うん一応、今回の出張が大丈夫だったから、イヴは空けられたよ?」

「……あの、予約とかしていなかったらでいいんですが、良かったら、家に来ませんか?」

「……」


 真間さんは、驚いたように目を見開いて私を見た。


「今回の御礼も兼ねて、ご馳走を作ってみようかと思ってて……、ささやかで申し訳ないですが、いかがでしょうか?」


 洋風の料理は、あまり作ったことがないけれど、練習すれば何とかなるし、こんなことくらいしか今は返せないけれど……。真間さんが喜んでくれることを、自分で考えて動いていこうと思ったから。


「――…うぅん、嬉しいよ? ……じゃあ、オレはケーキ買って行くね」

「ありがとう、ございます」


 クリスマスまでに何回か練習して、暁陽と菜摘にも食べてもらおう。


「プレゼントはどうする?」

「えっ? プレゼント?」


 どう言う意味だろう?


「一緒に買いに行って自分で選びたい方? それとも、オレが氷室さんの為に選んで買った方が嬉しい方?」



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