氷の華とチョコレート
◆ 氷の華とチョコレート
「―――…で? なんで、美羽がここにいるワケ?」
「え、えへへ……、クリスマスディナーのデリバリーで~す」
クリスマス・イヴ当日の夕方…―――
急いで帰って来たらしい暁陽に、開口一番、冷たい目で言われてしまった。申し訳ないと思っているだけに痛い……。
「暁陽お帰り~♪ 美羽がご馳走たくさん持ってきてくれたから、これで三人でパーティしよ?」
菜摘はご機嫌に鼻歌交じりで、私の作ったクリスマスディナー料理をテーブルに並べて言った。
「……まさか美羽、真間さんに、……とうとうフラれたか?」
ムゥ顔のまま大げさにため息をついて、暁陽は、ドカッとご馳走の前に座る。相変わらず口が悪いんだから、もう!
「ごめんね暁陽、今年こそ菜摘と二人きり予定だったのに押しかけちゃって……」
「―――…で? 真間さんは、どうしたんだよ?」
何だかんだ、心配してくれているみたい?
「前に会った会社の先輩の平井さんって覚えてる? 彼がね、インフルエンザにかかっちゃって……」