氷の華とチョコレート

「そのフォローに入るため、出張へ今朝行きしました」

「……あぁ、それは仕方ないな」


 あからさまなムウ顔から、しょうがねぇなくらいの顔になってくれた。


「うん、いつもお世話になっている人だからって……」


 私も栗栖さんの事で、助けてもらった人だから、我がままなど言うはずもなく、二つ返事で送り出した、けれど……。


「頑張って作てったご馳走の行方に困っちゃって、たまたま電話をくれた菜摘にプレゼントしようとしたら、……一緒に、って言ってくれたから、えへへ、来ちゃいました」

「パーティは多い方が楽しいでしょ? 暁陽」


 空のシャンパングラスを差し出され、仕方なく受け取る暁陽、ニコニコと笑顔でシャンパンを注ぐ菜摘を見て、暁陽もだんだん笑顔になる。


「……本当に美羽はしょうがねぇな、今年までだからな!」

「ありがとう、暁陽」
「暁陽やさしい、大好き」

「乾杯すンぞ?」


 暁陽のお許しが出たので、全員のグラスにシャンパンを入れて…―――


「メリークリスマス!」


 いつものメンバーで、パーティだ。



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