氷の華とチョコレート
「あ、ありがとう、ございます!」
あわてて頭を下げ、私はメモを受け取った。
ん?
白いメモの裏に、何か違う感触……?
見ると、見覚えのある筒状の紙? ロールペーパー
えっ!?
顔を上げて平井さんを見ると、すれ違いざま小山内さんには見えない角度で、彼はうっすらと笑ってウインクした。
「……☆□▲◎◆〇!?」
す、スッゴい威力。思わず顔が赤くなるくらい……。先輩達の言うオーラが違うイケメンって、こう言うことだったんだ?
「Re:社の平井様、応接へご案内致します」
内線を終えた小山内先輩が、平井さんの待つ長椅子へ向かう。と、取りあえず、今のを彼女に見られていなくてホッとした、けど……。
「……」
私は、平井さんにもらったロールペーパーのメモを、しばらく開けられないで眺めていた。