氷の華とチョコレート

 ど、どんな顔すればいいのか、わからない。

 頭の中に昨日の真間さんがフラッシュバックしていて、顔はどんどん熱くなるばかり。


「おはよう……」


 あっ……。

 ふんわりとした、いつもの笑顔が、少しだけ照れたように赤い。


「……お、はよう、ございます」


 脳裏に昨日の彼が、フラッシュバックして……、顔がどんどん熱くなる。

 き、昨日の真間さんと、全然違う……。


「体、平気?」

「は、はぃ……」


 寝起きの声、少しかすれて低い。

 うわぁ~……、なんで? 胸がドキドキしてきた。

 えっ? あれ?

 気付いたら、彼の胸の中に、ギュウッ、と抱きしめられていて。


「……真間さん?」

「もう、名前で呼んでくれないの?」


 ドキンッ

 耳元で、そう囁かれたから……。また、胸がバクバクと苦しくなる。


「……っ」


 私、いつの間にこんなに……―――


「……」


 ―――…あ、れ?



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