氷の華とチョコレート
『あのね、それは美羽がね、ものスゴ~く言いたくなった時で、いいんだよ?』
いつか聴いた、菜摘の言葉が、ふと、頭をよぎる。
「……」
胸の鼓動が鳴り止まない。もう、こんなにも、あふれて幸せな、この気持ち。そっか、こう言う感じなんだ……。
「……美羽?」
覗き込む、彼の顔を真っ直ぐに見上げて、ふんわりと暖かい気持ちで伝えた。
「瑛生さん、……大好きです」
見開く、アーモンドチョコレート色の瞳。私を見つめる彼の顔が、どんどん赤くなって……。
「……もう! 本当にこの人はぁ~っ!!」
わっ? わゎ、ゎ……!?
髪の毛、グシャグシャになるくらい、いきなり羽交い締めにされた。
「……」
え、瑛生、さんの胸の中、さっきより速くなった、彼の鼓動が嬉しくて。私は、幸せな気持ちで目を閉じた。
好きって、自分から伝えられてよかったな……。
「―――…っ、オレのが絶対好きっ!! ……です!」
えっ!?
驚いて見上げた、瑛生さんの顔。
きっと、一生忘れられないくらい、真っ赤かな素の顔だった…―――
fin