氷の華とチョコレート
ssピロートーク・トーク

「氷室さんは、彼とどうしてるの?」

「えっ?」


 会社に入って三年目の春…―――


 桜は散ってしまったけれど、久しぶりに集まった同期会、みんなお酒が回っているのか、女の子ばかりだからか、さっきまで配属されてきたイケメン新人の話に花が咲いていたのに。

 えっと、何の話に代わったんだろう?


「ピロートークよ」

「ピロートーク?」


 内緒話するみたいに、口に手を添えて言っているけれど、みんなが注目するくらいには大きめな声だ。


「……彼とベッドの中で、話すヤツ、だよ」

「……ベッドの、中?」


 私は、ギョッとして聞き返してしまった。

 営業部の桑畑さん、明るくて元気で、モテる女の子だ。確か企画部の三つ上の先輩と付き合っていたはず。

 でも……。個室でお酒が入っていて、女の子だけとは言え、ちょっと躊躇《ためら》ってしまう振りで……。


「……」


 私は困って、同期で仲の良い、るりに助けを求める為、アイコンタクトした。



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