氷の華とチョコレート

 久しぶりに聞いたな、その『氷の華』と言うフレーズ。

 確かに、初デート一回目でお付き合いを始めたけれど、……私がやってしまった勘違いのセリフが原因とは、恥ずかし過ぎて、まだ、るりには言えていません。

 しかも、私と付き合ったことで、真間さんがそんな事になっているとは……。うちの会社との取引で、高評価じゃ、忙しくて会えなくなる訳だわ。


「……それで桑畑さん、あんな事、振って来たんだ?」

「どうせ、真間さん情報集めたかっただけでしょ? ピロートーク聞くとか、美羽を嵌める気満々じゃん、腹立つ!」

「……助けてくれてありがとう、るり」


 隣でプンプンと怒ってくれている、るりに感謝して、カクテルを一口飲む。真間さんを狙って、私に仕掛けてくる人もいると言う事がわかっただけでも、良かったのかな? 気をつけなくちゃな……。あんな素敵な人、もう現れてはくれないだろうから……。


「そうだ、るりに聞きたいことがあったんだ」

「ん? ナニ?」



< 280 / 310 >

この作品をシェア

pagetop