氷の華とチョコレート

◆ 初めてのデートで…


 日曜日…―――


 真間さんが教えてくれた、スイーツバイキングのあるお店の最寄り駅で待ち合わせをした。待ち合わせの時間は14時半、駅のロータリーの中の芝生に立つオブジェの時計は、14時15分を差していた。

 休日に、友達以外と待ち合わせなんて、ほとんどないから緊張する。


「……」


 しかも男の人だなんて、何年ぶりだろう?

 朝早起きして、シャワーを浴びて、何を着ようかアレコレ悩んで、決めたのに不安になって、また悩んで着替えて、そんなことを繰り返して時間ギリギリに家を出たから、とってもシンプルな、ざっくりとしたベージュのニットと黒の細身のパンツスタイルになってしまった。

 こ、こう言う時に女の子は、可愛くスカートとか、ワンピースなんだろうけど、自分のクローゼットに、それらがほとんどないことが、今日の朝に判明した。


「……」


 真間さんと次があるようなら、買いに行こう……。


「氷室さん」


 ドキッ



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