氷の華とチョコレート

 行ったことはないけれど、とても大きな国のイメージ。


「星が、日本とは全然違うって聞いたことがあります」

「うん、スゴイよ、本当に手に届くほど近くに見えた」

「……」


 そう言って、振り返った真間さんの顔は、まぶしいくらい、きらきらとして見えて……。


「いつか、行ってみたいです……」


 こっちまで、幸せな気持ちになった。

 それから、真間さんと公園脇を散歩しながら色んなお話をした。留学先での楽しかったこと、ホームステイ先で失敗したこと、習慣の違いで怖い思いをしたこと、自転車で仲間と大陸を横断したこと……。

 心地よい風と、けや木の揺らめく音ときらきらと輝く木漏れ日と一緒に。私は、幸せな気持ちで、真間さんのお話を聞いた。

 斜め後ろを歩く私を振り返り、話をする彼の顔は、この木漏れ日と同じように、きらきらとしていた。



< 32 / 310 >

この作品をシェア

pagetop