氷の華とチョコレート

 こんな状況なのに、きちんと聴いてくれる、真間さんの律儀な所にホッとした。


「あの、……次に会う、約束が欲しくて……」

「……、えぇっ!?」


 驚いたように、真間さんが私を見上げる。


「……上手く言葉が出てこなくて」


 こんなことになって、しまいました。


「……」


 今度はちゃんと伝えられただろうか? 初めてのことばかりで、頭が飽和している。


「―――…えっ? ……えぇっ!?」


 見開く真間さんのチョコレート色の瞳が、ひときわ大きくなって私を見た。


「……っ」
「……?」


 あんまりにも予想外の答えだったのか、今度は、真間さんが、私を見つめたまま固まってしまった。

 恥ずかしくて、体中が熱くなる。

 あぁ、本当にごめんなさい。自分の恋愛スキルのなさに、本気で落ち込んだ。


「……っ、そんなの、携帯番号だって知ってるし……、オレからまた誘ったのに」


 あっ……。



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