氷の華とチョコレート
◆ 友達とWデートと…
「アハハハハ……ッ!! 何ソレ、マジでウケる! 美羽、すっげぇブン回したなぁ、お前」
「暁陽笑い過ぎっ! はぁ、……本当に、止めてくれる人でよかったよ、冷や冷やしたわ」
「ガクブルした女抱いたって、つま……、っ痛ぇぇっ!?」
暁陽の言葉を遮るように、菜摘が素早く彼のほっぺたをつねった。こう言う時の菜摘は容赦がない。
「経緯はともかくさ、美羽、真間さんと付き合えて良かったじゃん」
「……う、ん、ありがとう菜摘」
「危なっかしくて、保護しただけじゃね?」
「暁陽~?」
横目で睨む菜摘から、頬を守るようにガードして、暁陽が身構える。しばしにらみ合って、……どちらともなく笑い出す。
ふふ……、本当に、二人は微笑ましいくらいに仲がいい。
今日は、報告がてら、学生の頃からの友達の暁陽と菜摘の所に泊まりに来ていた。二人は、その頃から付き合っていて、今は同棲中。遊びに来たのは、本当に久しぶりだった。
真間さんと付き合う事になったきっかけを、二人に話していたら、恥ずかしくて、どんどん顔が熱くなってきて、限界気味だったから、暁陽が笑い飛ばしてくれて逆に助かった。
「マロン事件から、初めての彼か?」
「う、うん?」
マロン事件? 暁陽は、そう呼んでるんだ?
「美羽、本当に大丈夫? トラウマとかさ、……後、真間さんは、ちゃんとしてる人なの?」
「うん、今の所は平気、……真間さんは、とても優しい人だよ?」
あの、色々あったデートから、もう3ヶ月たっていた。