氷の華とチョコレート
付き合い出してから真間さんは、数日おきにメールか電話をくれて、休みのたびに、カフェや映画、水族館や美術館、遊園地といろんな場所へ連れて行ってくれた。
彼は、本当に優しく会話も上手で、一緒にいるのが心地いい人だった。
「真間さんて、いくつ?」
「27歳だって言ってた」
「俺らの3コ上だからぁ……、美羽の4コ上か?」
「うん」
「付き合って、3ヶ月だっけか?」
「うん?」
「……そうだね、出るならそろそろだね」
2人は目の前で、アイコンタクトを交わした。
?
「何のこと?」
「マロンの時、ソンくらいにヘンになったんだろ?」
「えっ?」
「聞いてる限りだと、大丈夫そうな人だけどぉ……」
「……」
マロンと言うのは、たぶん、私が初めて付き合ったアルバイト先の人の、栗栖と言う名前からとったんだろう。
確かに彼は、はじめ優しくて、感じが良くて、頼りになる素敵な先輩だった。
けれど……。