双子アイドルは俺様暴走族!
圭はニッコリと微笑む。
ウッ。
最近慣れてきたかと思っていたけれど、ここまで至近距離だとさすがに鼻血を拭いてしまいそうだ。

あたしは鼻血を拭かないように必死に耐えて、圭の言葉を待った。
「机。ピカピカにしてくれて、ありがとう」
「あ……。どう、いたしまして……」
「それから晴のことなんだけどさ……」

圭が言いにくそうに言葉を続ける。
あたしは晴という名前に一瞬イラッとしたけれど、ここは圭に免じて話を聞いてあげることにした。
ありがたく思いなさいよ、晴。

「晴もたぶん悪気はなかったと思うんだ」
「はぁ?」
その言葉にはあたしはさすがに顔をゆがめた。
あれで悪気がなかったなら、相当なわがままだ。
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