双子アイドルは俺様暴走族!
「それに、面白そうな女だった」
「面白そう?」
「あぁ。俺を見ていきなり鼻血ふいたり、ティッシュを鼻に詰めたままトイレから出てきたり」

その時の光景を思い出して、俺は思わず1人で噴き出した。

普通、鼻血が止まったらティッシュは捨てて出てくるだろう。
デート中だったみたいだし、あんな格好で男の前に戻ってくるとかあり得ないだろ。

「その女って本当に可愛いの? 離しを聞くかぎりじゃ見た目を気にしていない妙な女としか思えないけど」
圭がそう言い、眉間にシワを寄せる。

「確かに見た目は気にしてないかもな。っていうか、自覚してなさそうだな」
「自分が可愛いってことを?」
「そういうこと」
じゃなきゃ鼻にティッシュなんてやんねーだろ。
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