双子アイドルは俺様暴走族!
すると、廊下でバタバタと走ってくる足音が聞こえたかと思うと、2人が同時にドアを開けて入って来た。

2人とも同じように息をきらし、笑顔を浮かべている。
「間にあったねカヤちゃん」

「うん。かなりギリギリ!」
仲よさそうに話をしながら席につく。
それを見ていると、どんどん胸の奥に苛立ちが蓄積されていくのがわかった。
なんだ、この気持ち。

カヤと圭がいくら仲良くしようと俺には関係ない。
「おい、宿題は」
俺はイライラを隠そうともせずにカヤにそう言った。

するとカヤは「ちゃんとやってきたよ」と言い、机の中に手を入れる。
しかし……。

「あれ? 今日あたしカバン持ってきたっけ?」
「はぁ? どういうことだよカヤ!」
「だって昨日晴があたしに用事を言うし、色々あってカバンごと忘れちゃったんだもん」おいおい、まじかよ。
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