双子アイドルは俺様暴走族！

「その代わりにあたしが付き人になっているでしょ！？」
あたしが怒鳴るようにそう言うと、隣に座っていたユズちゃんがパッと目を輝かせた。

「ねぇ、今日の【ツインズ】もかっこよかった？」
「えー……まぁまぁ？」

あたしはユズちゃんの質問に曖昧に答える。
かっこいいことはかっこいいけれど、性格ドブスだもん。

「なによその返事は！【ツインズ】はかっこいいに決まっているでしょう！？」
「あー……はいはい」
「そういえばカヤ、いい男は見つかりそうか？」

そう聞いて来たのはお父さん。
もぉ……。
「そんなに早く見つかるワケないでしょ？　それ以前にあたしには彼氏が……」
「早く運命の相手と出会えるといいな、秋原高校で」

あたしの言葉を見事に遮り、そう言ったお父さん。
全くもう、この家は……！
完全に金に目がくらんでしまっている家族に、あたしはフカヒレをやけ食いしてのだった。