双子アイドルは俺様暴走族!
☆☆☆

そんな騒がしい夕食が終わり、リビングでくつろいでいる所にハジメからのメールが届いた。
《付き人お疲れ様。辞める方法かぁ……カヤの話を聞いているとすんなりとは辞めさせてもらえそうにないんだよな? だったら、思い切って相手の弱みを握ってみるとかどうかな?》

「弱み……」
あたしはハジメからのメール内容にボソッと呟く。
あの1人に弱みなんかあるのかな?
性格が悪いとか言っても、クラスメイトたちは全く動じてないし。

たとえそれが世間にバレたとしても、ちょっと悪くてかっこいい、とか言わて終わりそうだ。
そもそも世間の人があたしの言う事を信じるかどうかの問題だ。
下手すれば全国数千万人のツインズファンに嬲り(なぶり)殺されてしまう。

となれば、後は【ツインズ】の他の弱みを握ることしかない。
世間にバレたら相当やばそうなヤツを。
「って、そんなのあるのかなぁ……」

あたしは携帯を握りしめたままうなだれる。
超多忙といいつつも毎日学校には来ているようだし、終わったらレッスンに番組収録だ。

そんな中、悪いことをする暇なんてないんじゃないだろうか。
「うぅ~ん……」
うなだれ過ぎて頭が床につきそうになった時、突然ユズちゃんの黄色い悲鳴がリビングに響いてあたしはパッと顔をあげた。
見ると、テレビに【ツインズ】が写っている。
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