双子アイドルは俺様暴走族!
電話‐カヤside‐
ソフトクリームをイケメン男子の服につけてしまうという失態をやらかしたあたしだったけれど、そこから先はスムーズだった。

いくらすっとボケているあたしでも、2度3度と同じことは繰り返さない。
ハジメが新しく買ってくれたソフトクリームをベンチに座って食べ、2人でショッピングモールの中をめぐり、超絶怖いという3Dのホラー映画を大爆笑しながら堪能した。

「今日の映画すっごく面白かったね!!」
ハジメと腕を組んで映画館を出たあたしは、余韻たっぷりにそう言った。
ハジメは少し青白い顔をしていたけれど、「そ、そうだね……」と、頷いてくれた。

「特に、女のゾンビがお店の店員さんを食べるシーンが面白かったよね!」
あたしがそう言うと、ハジメは急に口元に手を当ててその場にうずくまってしまった。

「ハジメどうしたの?」
「ご、ごめん。ちょっとトイレ……」
か細い声でそう言うと、ハジメは男子トイレへと駆け込んでしまった。
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