双子アイドルは俺様暴走族!
「あ、うん……ってかあたし寝ちゃってたんだね! ごめんね!」
ようやくここがどこでどういう状況であるか把握したあたしは、あわててそう言った。

「いいよいいよ。初めてで疲れていたんだし、少し寝かせってあげようって思って」
そう言ってニコッと微笑む圭。
その優しさに今日1日に色々な事があったあたしは、胸がジンッとしてしまった。
いかんいかん。

あたしは【ツインズ】なんかにときめいたりしないんだ!!
「あれ、晴は?」
「晴は今トイレ」

「そっか。あ。この毛布って圭がかけてくれたんだよね? ありがとう」
あたしは背中にかかっている毛布を手に取り、そう言った。

圭はその毛布をジッと見つめる。
んん?
どうしたのかな?

そう思っていると、圭はハッとしたように笑顔を作った。
「このくらいどうってことないよ」
「そう? やっぱり圭は晴よりも優しいねぇ」

ここにいない事をいいことに、あたしはそんな事を言ったのだった。

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