双子アイドルは俺様暴走族!
‐晴side‐

それは俺がトイレに立っていたほんの数分間の出来事だった。
カヤはもう起きただろうか?
トイレから出て腕時計で時間を確認する。

俺たちが楽屋へ戻ってきてから20分ほど経過している。
着替えは終わったし、そろそろホテルへ戻る時間だ。
そして楽屋へと戻って来た時、中から話声が聞こえてきたんだ。

「あれ、晴は?」
カヤの寝ぼけた声。
あいつ、起きたんだな。
「晴は今トイレ」

圭がカヤに返事をする。
早く戻ってやろう。
そう思ったけれど、次のカヤの言葉が俺の動きを止めた。
「そっか。あ。この毛布って圭がかけてくれたんだよね? ありがとう」
< 159 / 340 >

この作品をシェア

pagetop