双子アイドルは俺様暴走族!
数分ほど経過してようやく落ち着いたあたしは、鼻から手を離し、大きく息を吸い込んだ。
あぁ、やっぱり呼吸で息をするよりもずっと呼吸しやすい。

地面から這い出たモグラも、こんな感じで深呼吸をするのかな。
「【ツインズ】の2人は今日も忙しいの?」
「え? あぁ~……たぶんね」
ハジメに質問されて、あたしは曖昧に返事をする。
「スケジュールまではわからないの?」

「うん。あたしなんてただの雑用係みたいなものだからね。本当に大切なことは他の人に任せていると思うよ」
「へぇ、そうなんだ……」
また、ハジメの声がワントーン低くなる。

どうしたんだろう……。
昨日からどうも様子がおかしい気がする。

「ねぇハジメ。【ツインズ】の2人と面識があるの?」
そう聞くと、ハジメは驚いたように目を見開き、それから「どうして?」と、首を傾げた。
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