双子アイドルは俺様暴走族！

「ん～なんとなくそんな気がして……」
「面識なんてあるワケないだろ。カヤは変なこと言うなぁ」
そう言い、ハジメは声をあげて笑った。
そっか。

じゃぁやっぱりあたしの勘違いか。
「あ、おばちゃんが会いたがっているんだよね？　今連絡してみようか？」
あたしはそう言い、投げっぱなしにしてあったスマホを手に取った。
時刻は昼前。

この時間なら昼休憩とかしていて、電話に出られるかもしれない。
まぁ、芸能人にそんな時間配分関係ないかもしれないけれど……。
「本当に？　ありがとうカヤ、俺の母親すごい喜ぶよ」

「えへ。もし会えたら感謝されるかな？」
「もちろんだよカヤ」

ハジメのお母さんに感謝されるとなれば、頑張るしかない！
あたしは「よしっ」と、自分で自分に気合を入れて、晴に電話をかけた。
しばらくコール音が響いた後、電話がとられた。

《もしもし？》
「も、もしもし、晴！？」
明らかに不機嫌な声にあたしはビクビクしてしまう。